2017年に出版された本のなかで、読み、おもしろかった10冊

「唐芋通信」第11号できあがりました。くわしくは→http://karaimo.exblog.jp/28276900/

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 『夜の光に追われて 津島佑子コレクション』 津島佑子 人文書院 2017年 より引用

 人が、たとえそれがどんなに小さな世界であってもなんらかの物語を書き出す時、いつはじまり、いつ終わるともしれぬ時の流れへの、そして、誰でもがそのごく一部分しか生きることができない人間自身への、不安、怖れ、怒り、恨み、悲しみ、がその人の手を動かしているのはないでしょうか。
 今の私には、そんな気がされてなりません。
 人間があまりにも救われない、筋も通らない生を過ごさなければならない存在だから、せめて架空の話を夢見ておきたい、という願いから、人間は今までに数えきれないほどの物語を紡いできたのかしら。こんな風に思っていたこともありました。でもこの頃は、そんな消極的なことではなかった、と思うようになっているのです。
 時の流れと人間の存在との、滑稽なほどのちぐはぐさ。時の流れから人間は逃がれることができないほど密接に生きているはずなのに、いつか必ず、いとも簡単に、その人間はひねりつぶされてしまう。生かされているのか、と思う時のくやしさ。くやしくって、くやしくって、全身で叫びださずにいられなくなる。なにかを書きだす時、人間はそんな激しすぎるような感情を吐き出そうとしているのではないでしょうか。

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2018年1月。みっちんの年賀状。


2017年に出版された本のなかで、読み、おもしろかった10冊を下記に書きます。
2017年も読めなかった本がふえた、ずっと、ずっとふえていっている。木々に降る雪のように。死んだあとの、読むことのかなわない本のことを、さいきんは、すこし想像しはじめている。
2018年は明日、1月5日よりカライモブックスは開店します。2018年もよろしくお願いいたします。


『死してなお踊れ 一遍上人伝』 栗原康 河出書房新社
『切腹考』 伊藤比呂美 文藝春秋 
『痛みのペンリウク 囚われのアイヌ人骨』 土橋芳美 草風館 
『百年の散歩』 多和田葉子 新潮社 
『場所 (フィクションのエル・ドラード)』 マリオ・レブレーロ 寺尾隆吉訳 水声社  
『チリ夜想曲 (ボラーニョ・コレクション)』 ロベルト・ボラーニョ 野谷文昭訳 白水社 
『ダスクランズ』 J.M.クッツェー くぼたのぞみ訳 人文書院 
『夜の光に追われて 津島佑子コレクション』 津島佑子 人文書院 
『死民と日常 私の水俣病闘争』 渡辺京二 弦書房  
『中国が愛を知ったころ 張愛玲短篇選』 張愛玲 濱田麻矢訳 岩波書店

(順番は刊行順)

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定休日が水曜日のみとなりました
営業時間が11時から18時30分に変わりました
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by KARAIMOBOOKS | 2018-01-04 22:47 | 日記
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