岡村淳さんが去っていった。強烈な郷愁を残し去り。 今年の5月にアマゾン水俣病三部作を、8月1日に消えた炭鉱離職者を追って・サンパウロ編を。 岡村さんは話す人だ。なにせ話す。よく話す。ずっと話している。だけど、それは話したいからではなく聞くためだからだ。話して聞く、ごくふつうのことかもしれない。だけど、これがとてもむずかしいことなのだ。岡村さんのように話して聞ける人は、まあ、なかなかいないだろう。 岡村さんの数多い作品のなかで、ぼくはまだ8本しかみていない。この、みた8本のなかでいうと、岡村さんの映画は光が音が言葉がいわゆる美しい映画ではない。だけど、岡村さんの映画は美しい。なぜなのか、ということだ。みているときに美しい映画ではなく、みおわってから美しい映画なのだ、ということだと考えている。映画は終わる。人は死ぬ。だけど、遠ざからないものがある、心だ。ふるえている心が。 ふるえるのだ、岡村さんに、岡村さんの映画に。あらあらふしぎ、からっぽの頭のなかに心が動いて入ってくる、ふるえる。こうなってくると、ほんとうになにも考えなくてよいのじゃないかと思ったりする、だって、頭のなかは心しかないんだから。ああ、自由だ。自由だ。なんて思ったりもする。岡村さんのおかげである。生きていけるのだ。 ここまで書いてみて、もどって読んだら、やっぱり映画の、イベントの、解説になっていなかった。苦手なのである、苦手というか、ほとんど書けないのである。ごめんなさい。許してください。来てくださった方々ありがとうございます。ほんとうに感謝しております。おそらく、来年も、きっと岡村さんはカライモにやってきてくれるでしょう。説明できないので、みにきてくださいね。みなさま、お待ちしておりますね。 ‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐☆‐‐‐‐‐‐
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| 2015-08-04 14:01
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