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矢部史郎さんの「ゼロベクレル派」とは
矢部史郎さんの言われる「ゼロベクレル派」とは。
もちろん、汚染されたものを食べない、ということ。そのために、現在は市民測定所で食品や土壌の核種分析に携わってもおられる。
少しだけ、矢部さんのお話をまとめます。

政府は食品のサンプル検査をして、食べてもよいものか否かを決める。しかしそれでは、放射能汚染の複雑さに追いつかないというのだ。
ひとつの畑からひとつのキャベツをサンプルとして取り出すとする。でも畑は、均一に汚染されるわけではない。風雨によりまだらに落ちる。たとえばそのキャベツが10ベクレル汚染されている、と出たとしても、それがその畑の最高値なのか、最小値なのか、平均値なのか、わからないのだ。
そうすると、サンプル検査によってわかるのは、「危険がある」ということだけ。「安全を確認する」なんてできない。放射能汚染は、「定量的な議論がほとんどできない、おそろしく複雑な」汚染だというのだ。
でも国民が口にするすべての食品をはかることなど誰もできない。サンプル調査をするしかない。だからこそ、そんな悩ましさを抱えながらも市民測定所などで市民が積極的に計測に乗り出している。
そしてこのような現状だからこそ、「『1ベクレルも余計に摂取しない』(結果として摂取してしまうかどうかは別にして)というゼロベクレル派の主張が、放射能に対峙するときのもっともただしい態度だということにな」る、というのだ。
(『放射能を食えというならそんな社会はいらない、ゼロベクレル派宣言』(矢部史郎、新評論)よりまとめました)

こうして書きだしてみると、とても冷静な視点なのだと思う。
けれど文章がドラマティックでロマンティックなので、するすると読ませてしまいます。
本当は矢部さんの文章のまま読んでいただきたいので、ぜひご一読を。
カライモにもおいておくので、手にとって見たい方、ぜひ声をおかけくださいね。

おかばあのブログにて、京都・市民放射能測定所でのビールの検査のレポートがあります。
とてもいいレポートだと思いますので、お知らせします。
http://okabar.exblog.jp/18834738/(おかばあのぶろぐ)

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9月23日(日)のカライモ学校の講師は社会学者の矢部史郎さんです。
14時から。料金1000円。予約受付中!!
くわしくは→http://karaimo.exblog.jp/18406320/

MKタクシーにみる京都  矢部史郎『原子力都市』より
http://karaimo.exblog.jp/18415249/

私は、見ず知らずの外国人の女を信じようと思う 矢部史郎『原子力都市』より
http://karaimo.exblog.jp/18417706/

セシウム134を検出することの意義 矢部史郎『3・12の思想』より
http://karaimo.exblog.jp/18424644/

みえないものをみたい 矢部史郎・池上善彦『ゼロベクレル派宣言』より
http://karaimo.exblog.jp/18444144/

放射線防護活動に働く人々は、悲観的な被害予測をたてている 矢部史郎『被曝不平等論』より
http://karaimo.exblog.jp/18450905/
by KARAIMOBOOKS | 2012-09-15 07:55 | イベント
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