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セシウム134を検出することの意義 矢部史郎『3・12の思想』より
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MKタクシーにみる京都  矢部史郎『原子力都市』より
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セシウム134を検出することの意義 矢部史郎『3・12の思想』より_c0184882_1564955.jpg

こんにちは。
矢部史郎さんの引用続きます。
今日の夕方は2012年3月に出版された『3・12の思想』より。

今年の5月に京都にも市民放射能測定所ができました、場所は伏見です。
http://nukecheck.namaste.jp/


セシウム134を検出することの意義  『3・12の思想』(以文社)より

NAIを使った市民測定所は、食品の検査では壁にぶつかります。ではNAIではもうなにも測れないのかというと、もちろんそうではありません。土壌は充分に測れます。
土壌検査で検出する放射性物質の量は、食品検査とは一桁違います。フォールアウトを被った関東の土壌であれば、少ない土でも100ベクレル/㎏、平均的な場所なら200や300/㎏は普通に出ます。これこそNAIが本領を発揮するところです。家の庭とか近所の公園とか、どんどんサンプルにして数字をとっていくべきです。
ポイントになるのは、セシウム134を検出することです。
セシウム134は半減期が2年、セシウム137は半減期が30年です。セシウム137は半減期が30年と長いので、50年代の大気圏実験や86年のチェルノブイリ事件のときにフォールアウトしたものが、現在も現存しています。
これは東京電力がまきちらしたセシウム137に比べればケタ違いに微量なんですが、残念なことに、そのセシウム137が核実験のものかチェルノブイリのものか東京電力のものか、区別することができない。森で検出されたセシウム137のうち、どこまでが東京電力のモノであるかを特定できないのです。
ここで、がぜん意味を帯びてくるのが、セシウム134です。セシウム134は半減期が2年なので、25年前のチェルノブイリ事件のモノは、もう崩壊しきっていて存在しない。いま土壌からセシウム134が検出されれば、それは確実に東京電力が放出したモノであると言うことができる。
いま福島第一の爆発から10ヶ月ほど経っていますが、セシウム137とセシウム134の比は10:8ぐらいになっています。これは事件から2年後の2013年3月には、10:5になり、2015年3月には10:3になるでしょう。そうして事件から10年もたてば、セシウム134は崩壊しきって、検出できなくなるでしょう。
だから、私たちがいま初動段階の数年でやらなければならないのは、セシウム134の存在を記録することです。セシウム134が崩壊しきってしまう前に、できるだけ多くの土壌サンプルを集めて、関東平野がどれだけ汚染されたかという記録を残さなくてはならない。東京電力を訴追するために、彼らが言い逃れできないような材料を揃えていかなくてはならないのです。

矢部さんのブログ『原子力都市と海賊』→http://piratecom.blogspot.jp/

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